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あなたの隣の免疫不全系男子

2018-01-01から1年間の記事一覧

強くもなく偉大でもないあなたへ

僕は、すべての病気が「母親であり、強く偉大である人だけが受け入れられる病気」ではなくなることを願っています。

母さんの息子

そのとき、まるで見透かしたかのように母が聞いてきました。 「それで、裕斗はどうなの。何事もなくやってるの」 「うん、特に何もないんだけど……」 「けど?けど何なの?」 僕は、まだ熱いコーヒーをごくりと飲み込みました。今しかない。

僕を構成するのはいろんな当事者ではない

僕は、以前からこの「当事者」という言葉が苦手です。自分の言葉として使うときも、他人の言葉として聞くときも、どこか違和感を覚えます。何がわかっていないんだろう…?あれこれ考えてみますが、結局よりどころが見つかりません。 たとえば、何か主張をす…

やっとただの病気になったのかな

僕がHIV感染を知ってから二年が経ちました。 二年前の今頃はこんなだったな、あんなだったな…と思い返しながら、たったの二年しか経っていないことをすごく意外に感じています。もっとずっと昔のことに思えます。僕の気持ちが「あの頃」とあまりにも違うから…

カミングアウトを受け入れるのは誰か

LGBTのカミングアウトって、僕らみたいな「平凡な会社員」がやってこそ意味があると思うんです。 バーで隣り合わせた人が、そんなことを言いました。なんで会社員なの?と聞いたら、彼はこう答えました。 アクティビストの人とか、ゲイバーのママみたいな人…

かなりフツーです

HIVを持っている人に、強い恐怖心を感じている人もいるみたいです。でも、実際は「自分でHIVを持っていることがわかっている人」について、そんなに...と言いますかまったく怖がる必要ないです、という話を今日は書こうと思います。 自分がHIVを持っていると…

その挑戦は無謀か

うまく書ける自信がなくて、基本的に時事ネタは書かないことにしている。でも、今回のニュースは僕にとって大切なテーマを含んでいるので、思い切って書いてみることにした。 登山家の栗城史多さんが、エベレスト山の下山途中に亡くなった。専門家の人たちか…

このブログのこと

このブログは、誰にも言えない僕の苦しみや辛さを吐露する場所ではありません。僕がHIVを持っている状況を知っている人たちと知らない人たちが入り混じる中で暮らす僕のエッセイのようなものです。

「HIVに感染したら」で検索している不安でいっぱいのあなたへ

HIVに感染したかもしれない。そんな不安を抱える人は、少なからずいると思います。これを読んでいるあなたが、まさにそうかもしれません。 「HIV」 Googleの検索窓に入力すると、「HIV 初期症状」とか「HIVに感染したら」とか、不安が垣間見えるキーワードが…

ありがとう

友人が、この世の生を閉じた。

免疫に声をかけたら

HIVを持っていると知らされてから暫くの間、体調を崩してしまうことが心配だった。なにしろ、一般の人の3分の1しか免疫力がないという。お医者さんにも、体調管理をしっかりするよう釘を刺された。もっとも、その内容は「手洗い・うがいをして、生ものは避け…

2018年、僕は戻ってきた僕のために走ろう

はてなブログの今週のお題「2018年の抱負」について書こう。 実のところ、新年の抱負は特にないのだけれど(1年という区切りで個人的な目標を立てることに意味を感じていない…)、あらためて「いま何がしたいんだろう」と考えてみたら、いま最大の関心事は…