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あなたの隣の免疫不全系男子

2017-01-01から1年間の記事一覧

薬物依存症:ケンジ君の疑問、それは僕の疑問

TOKYO AIDS WEEKSの「ナルコティクス アノニマス・オープンミーティング」に参加してきた。 ナルコティクスアノニマスというのは、薬物依存症の人たちの自助グループの名前だ。通常のミーティングには当事者の人たちが集まるが、今回のオープンミーティング…

1番目の90:世界エイズデー

世の中には「〇〇の日」がごまんとある。その日が近づくとどこかで聞いたような食傷気味のスローガンが叫ばれる。がん検診に行きましょう。戦争は悲惨です。大切な子供たちに愛を。 そんなことわかってる。 僕らは忙しいのだ。すべてのデーに目を向けるなん…

BPM-戦争を知らないHIV陽性者

この秋、僕はTOKYO AIDS WEEKSと日本エイズ学会に初めて参加しました。 学会が初めてなのはともかく、TOKYO AIDS WEEKSまで初めてというのは都心に暮らすゲイとしてちょっとはずかしい話です。それは、病気への無関心というより、おそらくは社会への無関心で…

小さな町の小さな皮膚科

僕がHIV陽性の告知を受けたのは、今から1年半前。保健所でも、検査場でも、大病院でもない、町の小さな皮膚科医院でした。 簡易なスクリーニング検査と正確な確定検査の二回の検査を受けたので、本当の告知は二回目の確定検査の結果を聞いたときです。でも…

1990年のパリの僕 〜 映画「BPM」試写会に応募して

HIVの感染を知ってからしばらくのあいだは、自分の病気のことで手一杯だった。 なので、HIVといえば、それは「自分のHIV」のことだった。すなわち「2016年に感染を知り、東京の大病院で治療を受けているゲイ男性」としてのHIV。寿命は人並み、毎日元気、病院…

新井先生とアライの話

先日、バブリングのトークイベントに行き、中学校の国語教師である新井先生の話を聞いた。シュッとした紳士的な身なり、よく響く声でユーモアたっぷりに話す姿はまさに先生然としていて、やはりプロは違うな…と感心しながらトークに耳を傾けた。 新井先生は…

明日のHIV特効薬を今日の世界はまだ知らない

アメリカのNIH(国立衛生研究所)と製薬会社がタッグを組んで、非常に強力なHIV抗体の開発に成功しつつある、というニュースがBBCから飛び込んできていた。

CD4に一喜一憂するぞ宣言

CD4が、病気が分かって以降の最高記録を更新した。CD4というのは免疫の状態を表す指標で、数値が大きいほど免疫力が高いことを示す。健康な人で700~1500くらいの値だが、免疫機能障害になるとこの値がじわじわと下がってきて、通常なら免疫が弾きとばしてく…

伝えない意味、伝える意味|ヒロトのインタビュー(カミングアウトストーリー)

僕のインタビュー記事が、NPO法人バブリングのウェブサイトに掲載されました。 HIVを持っていることを告知されて1年も経たないころのインタビューで、気持ちの整理もしきれていないし、内容もとりとめがないけれど、その分の生々しさというか、飾らない正直…

同窓会

高校時代の友人たちと酒を飲んだ。数ヶ月に1度、少人数で会っていろんな話をしている。 同窓会というほど大規模でも久々でもないけれど、普段の人間関係とは別のところで繋がっている友人、それも若かった時代を知っている同い年の友人と飲む酒というのは美…

ひっそりと咲く花

二ヶ月ぶりの診察。 インタビューを受ける予定だと雑談で話したことを、主治医の先生は覚えていました。 「インタビューの内容は世に出るんですか」「はい、ウェブ上で公開されます」「社会の認識が進むことにつながるといいですね」 この若い先生は、ときど…